君とわかれるその日まで、溢れるほどの愛を描こう
面会時間ギリギリまで滞在した俺たちは、今日も同じ時間に病院を出た。
妃菜と昂生がガヤガヤしている中、俺は蒼に渡されたノートを凜に見せて・・・
そしたら凜も、ワークの端に描いていた可愛いイラストを見せてくれた。
『普通のペンだと紫ってなかなか無いから・・・』
ってピンク色のペンで描かれていたそれは、なんとも凜らしくて、可愛かった。
「優人・・・凜ちゃんのこと考えてニヤケないで、怖いから!」
「え?」
「無駄無駄、互いに無自覚だから」
「見てるこっちが恥ずかしいじゃーん!」
もうすっかり暗くなった道を歩く。
空は雲で覆い尽くされていて、明らかに天気は悪い。
さっきまでは晴れてたのに、なんて思いながら、両脇で話す二人の会話を華麗にスルー。
・・・うるさい、黙れ。
なんて言ったところで黙ってくれないのはわかっているから、あえての無視。
みんな曰く、最近の俺は凜に会ったあと
ずいぶんと平和じみた表情をしているらしい。