花はいつなんどきも美しく



目が覚めると、頭が痛かった。


原因はわかっている。
二日酔いだ。


明らかに飲みすぎた。


まだぼんやりとした意識の中、ベッドから降りようとする。


「あら……もう起きたの?」


その声で、一気に目が覚めた。
振り向くと、寝転がったまま目を擦るママがいる。


よくよく見れば、私の部屋じゃない。


状況が呑み込めない。


「なんで……」
「やっぱり覚えてないのね」


ママは呆れたように言うと、ベッド下にあった上着を取って着る。
それからベッドを降りると、体を伸ばした。


やっぱりなにがあったのか思い出せない。


「ね、ねえママ……私たち……なにも、ないよね……?」


恐る恐る尋ねる。


今さらだが、私も下着姿だった。
普段からその格好で寝ていたから、違和感がなかったのだ。


キッチンに向かう途中に振り向いたママは、意味深に微笑む。


「聡美ちゃん、とても可愛」
「ちょっと、待てこらおっさん!」


被り気味に叫ぶと、ママの表情が固まる。


「おっさん……」


思った以上にその言葉はママを傷つけてしまったらしい。
四十前後だろうから、間違ってはいないと思う。


……いや、今はそれどころではない。


「つまり私たちは……」
「そこは安心なさい。最後までしてないから」


なにをどう安心しろと。


「大変だったのよ?聡美ちゃん、私には魅力がないって言って、急に脱ぎ出しちゃったんだから」
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