花はいつなんどきも美しく



アイス屋のイートインスペースで待っていたら、三十分くらいして、二人は戻ってきた。


「うわ、可愛くねえ」


帰ってくるなり暴言か。
お前は本当に私を好きなのか。


「一人で寂しかったんだよね」


……悠之介のその優しさは少し恥ずかしいから、やめてほしい。
てか、また子ども扱いされてるし。


「まあいいや。はい、これ」


真司はぶっきらぼうに包装された、細長い箱を渡してきた。


「聡美が持ってたらかっこいいかなと思って」


真司の話を聞きながら開けていく。
出てきたのは、万年筆だ。


「かっこいい……」


さすが幼馴染というか、私の好みをしっかりと把握している。


「気に入った?」
「うん」


……しまった。
素直に答えてしまった。


真司は満足そうな顔をしている。


「じゃあ俺の番ね」


悠之介が渡してくれたのは、小さな箱だった。


「聡美ちゃんに似合うかなと思って」


中身は小さなダイヤのようなものがついたネックレスかブレスレットがあった。
正直こういうものに関わってこなかったから、どっちか判断できなかった。


「ネックレスだよ」
「……ずる」


私が反応するよりも先に、真司が言った。


「ずるいって、なんで?」
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