花はいつなんどきも美しく
「男が女にネックレスをプレゼントするのは、俺の物って意思表示みたいなもん。ただの友達でしかない俺が、お前には絶対渡せないものだ」


それは知らなかったけど……信じていいのか?


「ごめんね、真ちゃん。どうしても負けたくなかったんだ」


悠之介は申し訳なさそうに言う。


本当なのか……


すると、真司はため息をついた。


「……いいよ。どうやら聡美も本気みたいだし。もう俺の入る隙なんてないんだろ?」


まだ結果発表していないのに、真司は負けを認めたらしい。


私たちは顔を見合わせて笑う。


「バカップルが」


そう言われると恥ずかしいな。


「デートの邪魔して悪かったな」
「そう思うなら最初から来ないでよ」


すかさず言い返すと、真司はデコピンをしてきた。


「奪い返すならこのタイミングしかないと思ったんだよ」


だとしても、リベンジデートでっていうのは最悪だ。
園田雪も、その辺は考えてほしかった。


悠之介のときとは違い、睨み合いをする。
でも、真司は鼻で笑った。


「まさかお前がデートを楽しみにしていたとは思わなかったよ」


今までの私の恋愛歴を知っているからこその言葉だろう。


しかし改めて他人に言われると、照れる。
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