冒険者の王子は 旅と恋する

国境付近の花



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「おばちゃーん!
 この肉 おいしぃね!
 ごはんお代わりちょーだい!
 野菜もうまーい!!さすが産地直送!」

「わかってるね!
 うれしいから、これも追加しちゃおう!」

「ありがとーー!!」


やったね!
追加のご飯と、
サービスのポテトフライもどさっと
さらに乗せてもらう。


と、にっこり笑いながら
向かい合わせに座っている
ジョイルとフィロスに、ほれ、ほれ、
と 分けてやる。

おいしいものは三分こだな。


「・・・さすが・・・
 山の幸も、海の幸も豊富なモントレー領ですね。
 チェースが行こうといったのもうなずけます。」

ジョイルが、パクパクと食べ進める。

「私も、モントレー領は二度目ですが
 隣の魔領地から流れている川の幸もおいしいですよ。」

フィロスがにこにこと
上品にポテトをつまむ。


よかったよ。
ここに行きたいって言って。


ちなみに、俺はちゃんと
力を抑えてるし、変化の耳飾りをしてるから
髪の毛も茶色。

平凡な見た目だな!
これで目立たないと思ったら
思わぬ問題が。


「あのぉ・・・あちらで、ご一緒しません?」
「あ、ついでに お友達も・・・」

なんて、かわいーー声で
逆ナンパされているのは


「あ・・・申し訳ない。
 私は、この子たちと一緒に食事をとるので
 あなた方のご希望には添えない。」

はいはい、眉間にしわを寄せて
びしっと、断ってもイケメンオーラがでてますよー。
フィロスが もってもて、なんですねー。

女子たちが行ったあと、
そっと耳打ちする。

「なぁ、フィロス。
 好み子のがいたら俺らに遠慮しなくていいぞ?」
「・・・そうですよ?
 僕らでたいていのことは対応できますし。」


「とんでもない。
 私が、チェース君と、ジョイル君とともに
 過ごしたいんですよ。」

にこーーっと微笑まれた。

ふわりと優しい赤の髪が揺れて
こいつこそ、変化の魔法が必要なんじゃねぇか、
なんて思いながら
食事を堪能した。
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