さよなら、片想い
迎えたイブの夜、私は岸さんに連れられて岸家の玄関前にいた。
岸さんの住まいではなく実家のほうだ。
恋人としてご両親に紹介、のはずはなくーー。
岸さんがチャイムを押し、なかからの応答があったのを確認してからドアを開けた。
まずは岸さんが入り、続いて私もドアをくぐる。内玄関には小さい男の子とそのママと思われる女の人がいた。
「メリークリスマース!!」
私の張り上げた声に男の子は肩をびくっと揺らし、ママの足にしがみついた。
上目遣いの涙目がきらきら揺れている。
怯えきっている。
「ユイトが連れてこいっていうから連れてきた」
と、岸さんが言った。
「まあ、ユイくん。よかったじゃない! サンタさんよ」
「初めましてサンタでーす。24歳でーす」
岸さんはともかく、ママさんと私のなんと芝居がかっていることか!
私は岸さんから頼まれてサンタの扮装をしていた。
ちなみに、この場で経緯を知っているのはこのユイトくんを除く全員だったりする。
岸さんの住まいではなく実家のほうだ。
恋人としてご両親に紹介、のはずはなくーー。
岸さんがチャイムを押し、なかからの応答があったのを確認してからドアを開けた。
まずは岸さんが入り、続いて私もドアをくぐる。内玄関には小さい男の子とそのママと思われる女の人がいた。
「メリークリスマース!!」
私の張り上げた声に男の子は肩をびくっと揺らし、ママの足にしがみついた。
上目遣いの涙目がきらきら揺れている。
怯えきっている。
「ユイトが連れてこいっていうから連れてきた」
と、岸さんが言った。
「まあ、ユイくん。よかったじゃない! サンタさんよ」
「初めましてサンタでーす。24歳でーす」
岸さんはともかく、ママさんと私のなんと芝居がかっていることか!
私は岸さんから頼まれてサンタの扮装をしていた。
ちなみに、この場で経緯を知っているのはこのユイトくんを除く全員だったりする。