令和のお殿様~七島くんのご所望
土曜日。
学校も休みなので、ベッドでグズグズと寝ていた。
ーーー昨日は散々だったな。イケメンとはいえ馬鹿だね、あれは。勉強が出来ても顔が良くても、あれはおかしな奴だ。
ポリポリとお腹をかいて、暑さに顔を歪めた。
ーーーしっかし暑いなー。エアコンつけよっ
寝ぼけて瞼を閉じたままサイドテーブルに手を伸ばしたが、どこを探ってもリモコンに手が届かない。
ーーーおかしいなー。夜、ここら辺に置いたのに。
暑くてたまらないのにエアコンのリモコンがみつからなくて、ようやく重たい瞼をあけた。
すると、ベッドの横に誰かいるのが見えた。
ーーー足だ。
ベッドの横に足があった。
目の前に見える足は、ベージュのチノパンを履いている。
私は、恐る恐る目の前の足から徐々に上へ視線を動かしていった。
そこには……
「!!うわっっっっっっ!!なに?!うえっ、嘘でしょ!」
驚いて飛び起きた私は、タオルケットを掴んで身体を覆い壁際へ飛んだ。
ーーーでたっっっっ、リアル七島っ!!
「なに?えっ、なんでなんで私の家に?!!」
信じられない事態だった。
リアルに七島が私の家にいた。しかも、私の部屋の中。
更には、私のベッドの横にだ。


