ねぇ・・君!
結婚することを告げた時
「おはようございます。
昨日は、休みをいただいて
すみませんでした」
清香は、課長の代行をしている恭輔に
朝一番にあいさつと欠勤のおわびを
していた。
「大丈夫ですよ、清香さんが
何かあったら大変だからね」
「すみません」
「さっき、課長から連絡があって
今日から職場復帰をするそうですよ」
「課長が、職場復帰をされるんですね。
よかったです」
英明のことは、清香はわかっていた。
さっき、清香は英明の車で
出勤をしたのだ。
「今日は、本社オフィスに
退院の報告をしてから来る。
それから、佐伯常務に
結婚の報告をしておくよ」
今日から夫婦になったことを
報告すると言った英明に清香は、
うれしい気持ちでいっぱいであった。
そして、いつものように
孝之、香菜、夏子、
雪恵、沙織がそろっていた。
そして、しばらくたってから
英明が本社オフィスから出勤をした。
「おはよう、今から朝礼をする。
長い間、オフィスを離れたことに
なったが、今日から職場復帰をして
心機一転で頑張っていく。
またオレの休職中の間、
課長の代行としてオフィスを
引っ張ってきた恭輔には感謝している」
英明の朝礼で、朝のオフィスの
空気に緊張が走る。
今日から、英明は
茶屋町オフィスの課長として
再出発をすることになったのだ。
「さて、おまえたちに
報告をしておくことがある」
英明は、何を言おうと
しているのだろうか?
清香は、緊張が走っていた。
「実はだな、オレは清香と
婚姻届を出したんだ」
照れくさそうに言う英明に、
恭輔はからかい半分で言った。
「課長、いつの間に
清香さんと付き合っていたんですか?
まさか、清香さんの面接の時に
緊張していたのは、
そのせいだったんですね?
課長、おめでとうございます。
清香さんなら、課長が安らげる
家庭をつくってくれますよ」
「課長、清香さん、
おめでとうございます。
清香さん、幸せになってくださいね」
「清香ちゃんが辞めるのは寂しいけど、
これからは、課長のために
尽くしてあげてね」
「清香さん、事務の仕事が
わからなかった時に
助けてくれたことは、
今でも感謝しています。
これからは、課長と一緒に
幸せになってください」
「清香さん、あたしと孝之くんは
清香さんの頑張りに励まされました。
今まで、ありがとうございました」
「清香さん、営業の外回りから
帰ってきた僕たちに、冷たいお茶や
ジュースを出してねぎらってくれた
優しい心遣いを僕たちは忘れません。
その優しさを、今度は課長のために
使ってください」
「孝之くん、香菜ちゃん、
夏子ちゃん、ありがとう。
恭輔さん、沙織さん、
雪恵さん、ありがとうございます」
清香は、恭輔をはじめ
オフィスの仲間に英明との結婚を
祝福されたことに涙を流していた。
そんな清香を見て英明は、
オフィスの仲間に言った。
「みんな、ありがとう。
オレも、思い切って
再婚をしてよかったよ。
清香は、事務の引継ぎが
完了したら退職をする。
これは、清香が結婚をしたら
家庭に入ると言ってくれた。
そして、オレの再婚については
本社オフィスの佐伯常務に
話を通しておいた。
後日、本社オフィスから
清香の後任事務を
手配するということだ。
清香、引継ぎが終わるまでは
仕事に手を抜くことのないように
してくれよ。
おまえは、これまでしっかりと
仕事をこなしているから
安心して見ていけるな」
「はいっ、よろしくお願いします」
清香は、元気に返事をしていた。
これまで働いてきた仲間と
さよならをするのは寂しいが、
これからの英明との未来に向かって
清香は頑張っていこうと思った。
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