ねぇ・・君!
幸せを感じた時
英明は、清香との結婚式に
迎賓館を披露宴会場に決めていた。
この披露宴に、恭輔をはじめとする
茶屋町オフィスの仲間の他に
本社オフィスから佐伯常務と
営業部の課長、そして各オフィスに
散らばっていた英明の同期入社の
仲間が来たのだ。
「フレンチカジュアル」には、
大阪南森町にある本社オフィスと
梅田茶屋町オフィス、
京都四条烏丸オフィス、
神戸元町オフィス、名古屋オフィス、
東京赤坂オフィス、横浜オフィスで
構成されていた。
英明の同期入社の仲間は、
各オフィスに散らばっても
仲間のつながりを大切にしていた。
披露宴会場の受付は、
孝之と本社オフィスで
孝之の同期入社の社員である
松山真司が担当した。
そして、新婦側である清香の受付を
本社オフィスから杉本千里と
神戸元町オフィスの桐島敦子が担当した。
そして、披露宴に来客をされる
招待客をお招きした後に
孝之、真司、千里、敦子は
それぞれの席に座って
英明と清香を待っていた。
そして、披露宴会場の照明が消えて
スポットライトを浴びた英明と清香が
披露宴会場に入ってきた。
英明と清香は、結婚式に着ていた
和装の婚礼衣装に身を包んでいた。
そして、仲人となった佐伯常務が
ご夫妻で英明と清香を伴って
二人は高砂の席に着席をした。
「清香さん、きれい。私も結婚したいな」
そう言った夏子に香菜は言った。
「何、言ってんの?
夏子は、相手がいないでしょ」
「だけどさ、清香さんが
言っていたわよ。
結婚したい時は、ご縁が
あってのことだって」
「寝言は、寝てから言ってね。
夏子、彼氏を見つけてから
そのセリフは言ってよね」
そんな二人を見て沙織が
二人に言った。
「あなたたち、今日はおめでたい日だから
けんかはNGよ。そうですよね、雪恵さん」
沙織の言葉を受けて雪恵が言った。
「沙織ちゃんの言うとおりよ。
あなたたち、けんかは時と場所を
考えてね。それが社会人としての
ルールだからね」
雪恵の言葉を受けて優子が言った。
「課長と清香さん、幸せそう。
お似合いの夫婦ですね」
「清香ちゃんが茶屋町オフィスに
初めてきた時のことを思い出すわ。
あの時から、課長は清香ちゃんに
恋をしていたのね」
そんななかで、英明と清香は
ウェディングケーキにナイフを
入れていた。
二人が幸せを感じていた瞬間であった。
そして、英明の同期入社の仲間が
集結をして英明と清香の結婚を
祝ってくれたことに幸せを感じていた。
そして、披露宴のクライマックスである
キャンドルサービスになった。
この時、ウェディングドレスを着た
清香は、白のタキシードを着た英明と
一緒に各テーブルをまわって
キャンドルに火をつけていた。
英明と同期入社の仲間のテーブルに
来た時に、神戸元町オフィスの支店長
兼課長である園田泰彦が英明に言った。
「英明、よかったな。
かわいい嫁さんを大切にしろよ」
「ありがとう、泰彦」
そして、各テーブルをまわるごとに
英明と清香におめでとうの言葉が
かけられていた。
キャンドルサービスが終わった時に
英明と清香は、それぞれの母親に
花束を渡していた。
英明は、この日のことを忘れないと
そう思っていた。
この日に清香を正式に自分の妻と
したことを、いつまでも忘れまいと
心に誓っていた。
それは、清香も同じだった。
自分の過去を承知の上で
自分を妻として必要としてくれた
英明の直向きな気持ちに
幸せを感じていた。
この幸せが、いつまでも続くことを
願ってやまないとそう思っていた。
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