ねぇ・・君!
茶屋町オフィスのゴールデンウィーク【後編】
10連休が終わって、初めての勤務で
英明の勤めている茶屋町オフィスに
いつもの緊張感が戻っていた。
そして、茶屋町オフィスの仲間たちが
10連休を使って海外と国内を問わず
旅行に出かけていたのだろう。
仲間たちからのお土産が並んでいた。
「土産がたくさん並んでいるが、
どこに行っていたんだ?」
英明の言葉に答えたのは恭輔であった。
「オレは、家族を連れて
実家に帰ってました」
「あっ、そうか。恭輔の実家は
高知県だったな」
「なかなか、連休が取れないから
思いきって出かけてきました」
恭輔のお土産は、高知県の限定である
塩けんぴと柚子ジュースだった。
「この塩けんぴは、
大阪では食えないですからね。
それと、柚子ジュースは
地元の馬路村の特産です」
「おいおい、塩けんぴの袋が
たくさんあるが食いきれるか?」
そう、英明の言うように
塩けんぴの袋詰めがあった。
それも大きな袋に入っていた。
「これは、食ったらハマりますよ。
一度食ってみてください」
恭輔は塩けんぴの袋を、
1人ずつ持って帰るように
仲間たちの分全員に渡せるように
宅配便で職場に送ったのだ。
柚子ジュースも同じように
職場に宅配便で送ったのだ。
「これは、誰の土産だ?
ディズニーランドに行ったのか?」
「ディズニーランドと言っても
パリのディズニーランドに
行ってきました」
「うわーっ、雪恵さんは
海外旅行に行ったんですか?」
「それは、主人と一緒に
10連休に行ったからよ」
「雪恵は、ディズニーランドが
好きだからな。夫婦で楽しめたようだな」
「私がテーマパークが好きだから
主人が休みの時に出かけるんです」
「雪恵さん、USJは行かれるんですか?」
「USJは、いつも出かけるわよ」
雪恵の言うように10連休を利用して
パリのディズニーランドに出かけた
お土産を仲間たちに配っていた。
そして沙織は、10連休に長崎へ行った。
長崎限定のカステラと寒ざらしゼリーを
お土産に持ってきた。
「寒ざらしゼリーは、冷蔵庫に
入れているから食べてね」
「沙織は、長崎に出かけて
楽しめたようだな」
そして、孝之、香菜、夏子が
それぞれお土産をもってきた。
孝之は、伊勢神宮に出かけたので
赤福餅を持ってきていた。
香菜と夏子は、二人で
北海道に行ってきたので
お菓子の詰め合わせを持ってきていた。
そして、健吾、美里、千春、聡子、
亜希子は他の同期と一緒に
東京に行ったので、東京でしか
手に入らないお菓子の詰め合わせを
それぞれ持ってきていた。
「課長は、どこに行ったんですか?」
孝之が英明に聞いていた時に
宅配便が来ていた。
「長野英明様からお届け物です」
「ご苦労様でした」
そう、英明から茶屋町オフィスの
仲間に渡そうと思ったお土産が
たった今宅配便で届いたのだ。
「これは、簡単だが
オレからの差し入れだ」
英明は、箱をあけて仲間たちに
箱の中身を見せていた。
そう、英明の土産は京都限定の
ハチミツのキャンディの瓶が4つ。
そして、清香がセレクトした
ハチミツドリンクが2本だった。
「ハチミツドリンクは、
オレの妻清香のセレクトだ。
これから暑くなるから、
冷たいドリンクが必要になると
オレに言っていたんだ」
「さすが、清香さん。
清香さんは、外から帰ってきた
私たちに冷たい飲み物を
用意してくれていましたよね」
こうして、茶屋町オフィスは
10連休のお土産三昧に
花を咲かせていた。
こういったゴールデンウィークも
いいものだなと英明は思っていた。
これからは、茶屋町オフィスの
舵取りをしなければならない。
英明は、恭輔をはじめとする
茶屋町オフィスの仲間に感謝していた。
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