ねぇ・・君!
清香の打ち明け話
清香が喫茶店に入ってから
15分過ぎた時に、英明が
喫茶店に入ってきた。
英明は、清香を見つけると
清香のいるテーブルに座った。
そして、注文を聞きに来た
女性のスタッフにコーヒーを注文した。
「清香、さっきのメモ書きを見たが、
S.O.Sのサインを感じた。
一体、何があったんだ?」
「英明さん、私は今ある人物から
ストーカーをされています」
「ストーカーだって!?
相手は、誰かわかっているのか?」
「私の元カレである吉澤史生です。
吉澤は、前職の同僚で
結婚の約束をしていました。
そして、結納がすんで結婚式を
指折り数えて待っていた時に
吉澤の浮気が発覚しました。
浮気相手は、私の後輩である
本宮三千代でした。
そして、そこで三千代さんを交えて
両家で話し合いをしました。
その結果、二人から慰謝料を取り
吉澤との結婚は、破談となりました。
ところが、ここまでで事態は
終わらなかったのです。
ある日、三千代さんが会社の社内で
吉澤をナイフで切りつけて、
自殺未遂をしょうとしました。
このことで、吉澤と三千代さんは
懲戒解雇の処分を受けました。
そして、私も同じ時期に退職をしました」
英明は、清香の話を真剣に聞いていた。
このままでは、清香が危ない。
吉澤から清香を離さなければ、
清香の身に危険があることは
いうまでもなかった。
そこで、英明は清香にある提案をした。
それは、清香を英明が住んでいる
マンションに避難をさせることだった。
「清香、キミは確か家が
阪急線の南方だったよな?」
「そうだけど、どうして?」
「今の話を聞いたら、キミが危険だ。
今のうちに避難するほうがいい」
「だけど、今から引っ越しとなる
場所が見つからないのよ」
「心配しなくていい。
オレの住んでいるマンションに
引っ越しをするといい。
オレの家は、阪急線の蛍池だ。
幸い、ちょうど空き部屋がある。
オレのおやじが、マンションの
大家だから、オレからおやじに
話をしておく。
人目につかないように、
少しずつ荷物をまとめておけ。
そして、いつでも引っ越しが
できるようにしておけ」
「英明さん、ありがとう」
「キミは、最低な男にだまされたんだね。
もう、キミを危険な目に遭わせない。
オレが、必ずキミを守る」
英明の言葉は、強い信念を持っていた。
清香を、必ず守ってみせる。
そして、清香に危害を加えよう
としている史生に、社会的制裁を
加えてやろうとさえ思っていた。
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