幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「レオン様!」

後ろを振り返ると、りりにそっくりな女性がいた。

レオンから聞いてたけど、まさか………。

「やっと会えましたね。私は嬉しゅうございます」

やっぱり、千代さんだ。

着物を着たりりみたいで見とれてしまった。

「あの、千代さん。俺はレオンじゃなくてあなたの来世です」

そう言うと千代さんの顔が暗くなった。

「………やはりそうでしたか。薄々勘づいてはいましたが。私の来世ということは例の呪いにかかったのですね。迷惑をかけましたね」

「呪いを解く方法は愛しかないのですか?」

「はい………」

千代さんから光が放たれた。

「あなたには分かるはずです。この呪いの真実を。それをご自分の目で見てきなさい」

俺はその光に飲み込まれた。
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