幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
帰るや否や玄関にも関わらず血を吸われた。

傷口がチクッと痛む。

その痕を消すように舐めてくる。

「……あっ」

こんな声出したいわけじゃないのに出てしまう。

「あんま煽るな。俺、お前を襲うかもしれないし」

玲音が狼になるってことは証明済みだから気をつけてるよ。

でも、出ちゃうのは仕方ないでしょ!

「………煽ってないし」

「その顔がダメだって」

玲音はため息をついた。

別に煽るような顔してないんだけど。
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