幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「玲音は応援団やるの?」

紅茶を飲みながら雑談をした。

こうしてゆっくり話すのはあんまりない。

玲音と話さない日はないけど、こうも深く話し込むことはない。

だからちょっぴり貴重に思う。

「うん。りりは何かするの?」

「私は生徒会の仕事をするのがメインかも」

「じゃあ話せないかもな」

確かにすれ違うことはあるかもだけど、話す機会はなさそう。

ドタバタして忙しいもんな。

「今のうちに話しとこ」

「そうだな」

その日はたくさん話した。

話したいことを全て話した。

二人とも話せなくなることを惜しむように。
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