かすみ草の花束を。
天才降臨
小枝side
ーーーーーー
「そこまで。 シャーペン置いて後ろから集めてきて〜」
……終わった…っ! やりきった…!
5日間、私はテストを頑張りました!
ただいま現代文のテストが終わって、テスト地獄から逃れられましたーっ!
あとは結果を待つのみ!
どうにか赤点だけは免れますように…!
大丈夫。 黒崎先輩にたくさん教えてもらったもん。
黒崎先輩と会った日曜日から全然喋っていない。
テスト期間中最終日の今日以外は、午前中までで終わり、お昼は食べないで帰るから会えないのだ。
それでも朝は会えるかと期待していくも、全く会えずに今日まで過ごしていた。
そろそろ黒崎先輩不足で充電なくなるよ〜…
黒崎先輩…自分の勉強できたのかな…?
私の勉強を見てくれたり、お母さんのこと考えたりしてできなかったんじゃないのかな……
私のために、先輩が犠牲になってる…?ーー
…ズキ…
………?
なんだろう…
胸が痛い、かも。
「小枝! お疲れ様! テストどうだった?」
美羽はそう言って、私が放置していたシャーペンや消しゴムを筆箱の中に戻してくれている。