かすみ草の花束を。


「ありがとう。 現文はまあまあできた、かな」

「良かった」

美羽は安心したようにニコッと笑った。

今までもずっと美羽は、私の心配までしてくれるからなあ…
もっと自分のこと考えて欲しいのに……

「じゃあ待ちに待ったお昼、食べに行こっか」

そうなのです…!
今日からまた先輩たちと一緒にご飯が食べられるのです!

…って言っても4日一緒に食べなかっただけで、ここまで我慢できないなんて…慣れってこわくないか…!?

最初の頃は会えるだけで満足してたのに、いつから私はこんな風になってしまったのだろう。

「お弁当も今日からまた再開だね」

美羽は私が持つ手提げ袋を見てニヤニヤしている。

「今日はテストお疲れ様の気持ちを込めて、いつもより豪華にしてきた!」

「いいなあ〜、小枝の作ったお弁当食べれるなんて」

いやいや、美羽ちゃん! 何を言いますか!

「美羽のほうが料理上手だし美味しいでしょ」

「小枝が作るから美味しいんだよ~」

そんな会話をしながら私たちは、約一週間ぶりに先輩たちの秘密の隠れ家へと向かった。


< 122 / 396 >

この作品をシェア

pagetop