かすみ草の花束を。


「黒崎先輩…これ、私からのプレゼントです…っ」

外で待ってくれてた先輩に、日曜日に買ったプレゼントを差し出した。

「…は…?…俺誕生日でもなんでもないけど」

「はい…でも、日頃のお礼として受け取ってくれませんか…?

いらなかったら捨てていいのでっ」

「…それ、俺のマネ?」

先輩がフッと笑ってそう言った。

そして私が差し出したプレゼントを、ゆっくり受け取ってくれる黒崎先輩。
その大きな手が私の手に少し触れて、またわかりやすくドキッとした。

それを必死で隠しながら、渡したプレゼントを開ける先輩を見つめる。

「キーチェーンか…?」

キーチェーンを街灯が直接当たるところにかざしてそう言った。

「その猫のチャームが見つけた瞬間先輩だと思って、どうしても先輩にあげたくなって……」

「…うん、確かにこの猫俺っぽいかも」

街灯の光で微かに見える先輩の表情。
チャームを見て穏やかに笑っているみたいだった。
そんな先輩に私は何度もときめいてしまう。

「…ありがとな。 毎日持ち歩くわ」

毎日…!?
うー、嬉し~…っ!
そして毎日持ち歩いてもらえるその猫ちゃんが羨ましい~~!


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