かすみ草の花束を。
「そこまでが、俺の知ってる小さい黒崎純だよ」
「流川先輩、聞かせてくれてありがとうございました…!」
私は黒崎先輩じゃないから、黒崎先輩の苦しみや悲しみの全部がわかるわけじゃない。
だけど、黒崎先輩に残る傷みがあるのなら、少しでも拭うことができたらと、黒崎先輩に避けられている今でも強く思う。
「私、黒崎先輩に会いに行こうと思います。 それで…ちゃんと先輩の返事を聞いてきます…!」
「花咲さん、純は…自分の本当の気持ちを隠す癖がついてる。
だから…些細なことでも、本当の気持ちを見逃さないでほしいんだ。
花咲さんも純に、急に"近づくな"とか言われて、辛いのはわかってるし、俺にこんなこと言われたくないと思うかもしれないけど……お願い。
純を、見ててあげてくれないかな?
花咲さんだけなんだ。 あいつにとっての心の支えは」
「…っ…!」
どうして流川先輩は、そんな風に断言できるんだろう…。
私は、ただ先輩に、ワガママをたくさんぶつけて来ただけなのに……