かすみ草の花束を。


「どうぞ座って」と、リビングにある椅子をひいてくれるパパさん。
その後、冷蔵庫から取り出したりんごジュースをコップに注いで、私のもとへ持ってきてくれた。

「ありがとうございます…」

テーブルの上に置かれた先輩の大好きなりんごジュース。

家でもやっぱり飲んでるんだ……

そう思うと可愛くて、ちょっとにやけてしまった。
パパさんはテーブルを挟んで私の前に座る。

「先輩は…いつも優しくて私を助けてくれました。
心を許してるのは、私のほうなんです……

先輩のことが大好きで、追いかけて、それで迷惑ばかりかけてしまいました」

「そうでしょうか…?
純にとって迷惑というのがどういうことかわかりませんが、今年になって徐々に純の顔色が良くなってるというのは、父親の私でもわかりますよ。

今花咲さんにお会いして、それはあなたの存在のおかげなんだと思いました」

っ…!?
ど、どうして初対面の私に、そんなことが言えるんですか…!

流川先輩もそうだけど、どうして私が嬉しくなって調子に乗りそうなこと言っちゃうの…?


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