かすみ草の花束を。


「ははっ…うん、そうだな……

本物のプロポーズは、未来まで待ってて」

髪の毛を触られ耳元で囁かれた言葉に、胸が尋常じゃなくときめいているのがわかる。
キュンなんてものじゃない、ギュンギュンくるのだ。

「先輩…すき…だいすきです……止められなくてごめんなさい……それでも黒崎先輩が、だいすきで……ーーっ…!」

その瞬間、先輩の唇が私の唇に重なった。
初めてしてもらったときよりも長いキスに、今度こそ置いてけぼりじゃなく、私はゆっくり目を閉じる。
先輩の唇から感じる柔らかくて温かい感触に、静かに鼓動が速くなっていった。

これは、私と同じ好きの気持ち……ーー


「黒崎先輩…」

「ん?」

「私は生まれ変わっても、また先輩に恋してしつこいと思うんですけど…いいですか……?」

「…なんだそれ…来世の話?」

そう言って、ふはっと吹き出す黒崎先輩がまた愛おしくてたまらない。

「いいけど、他の男に目移りすんなよ」

「しませんよ…!」

「わかんねーだろそんなの」

「黒崎先輩っ!」

「なんだよ…」

「今までも、今も、これからもずーっと…私は黒崎先輩のことが、大好きです…っ!」ーー


< 394 / 396 >

この作品をシェア

pagetop