かすみ草の花束を。


第一印象で好きだと言うなら、俺のこの性格知った時点で嫌いになるだろうしすぐ冷める。

こんな冷たいことしか言わないやつ、ほんとに好きになるわけない。

「え…?」

目の前には、驚いて固まっているちっこい後輩。

なぜそんなに驚く?
てか、まじでちっせーな。
150センチくらい? ほんとにチビだ。

「…初めて私のこと…聞いてくれた……」

「…っ…」

「……あああっ! 録音したかったあああ!」

「!?」

突然だよ…ビビるからまじで勘弁してくれ……

「あっ、ごめんなさい! でも嬉しくて…!
先輩が質問してくれるなんて光栄すぎますっ!」

「あーめんどくさい。 やっぱいい。 今のなし」

そう言って俺が再び歩き出すと……

「えええっ、なしとかなしですよ~!」

慌てて俺の後を追いかけてくる。

「鬱陶しい」

そんなことを言っても嬉しそうに笑ってついてくるから。

もう本当に意味がわからないんだって。

やめてくれ…俺をこれ以上かき乱さないでくれ……


こいつに何か言われたり何かされると、なぜかいつもの冷静で冷酷な自分が保てなくなるんだ。


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