どうも、弟です。

雪くんは自分の机で、ミニカちゃんとリュウちゃんは床に丸テーブルを置いて勉強している。

私は呼ばれたところに行って教えるスタイルなので、まるで塾みたいだ。


ほぼ私を呼ぶのはリュウちゃんなんで、雪くんに呼ばれる事はほとんどない。


「………」


ちらりと雪くんの背中に目を向ける。

今は人数が増えて、テストを作る量や確認作業も増えたけど、賑やかになって楽しいって思う。

前はここで雪くんと二人きりで勉強してたんだと思うと、なんだか今更恥ずかしくなってきて少し顔が熱くなった。


「ちょっと」

「え」


ミニカちゃんに、小声で呼ばれてはっとする。


「今は勉強の時間よ。抜け駆けは許さないんだから」


それだけ言うと、また目の前の問題に視線を落としたミニカちゃん。

私とミニカちゃんは、文化祭のあの一件以来とても話す回数が増えて。

ライバルであり、お友達のような感覚です。


みんな、それぞれの志望校に向かって頑張って勉強してるわけだし、私もみんなにあった問題を作ってたくさん頑張らないと!!


………あれ?


そういえば雪くんは、どこの高校に行くんだろう……?


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