どうも、弟です。
「え、何言ってんの」
しかし、私の言葉を聞いた雪くんは、不思議そうに首を傾げてから、また口角を上げてにやりと笑った。
「とっておきのプレゼントくれたじゃん」
「え……?」
私、雪くんにプレゼントなんか渡してないよ?
何度あの日の事を思い出しても、記憶になくて。
どういうことか聞こうと口を開いたとき。
「雪く……」
頬に優しく当てられる雪くんの手。
親指は、つう……と私の唇を撫でた。
「忘れた?」
こつんと額に当てられる雪くんのおでこ。
前髪の間から覗く雪くんの瞳に映って見える私の顔は、もうすでに真っ赤になっていた。
「『いい?』って聞いたよね、俺」
「……っ!!」
プレゼントって、もしかして私のファーストキスのこと言ってる!?
いよいよ顔から火が噴き出しそうなほど熱くなる。