嘘つきシンデレラ
緊張しきってうつむいたまま
ボタンをはずそうとしているさとみ。
震えるさとみの視界に、社長のつま先が見えた。
ゆっくり
視線を上げると、目の前に社長がいる。
目はそらさずに、社長がさとみを見つめている。
とん。
軽くてのひらで押され
さとみは、後ろのベッドにあおむけに倒された。
ひゃっ。
さとみの悲鳴は声にもならない。
ギシ。
さとみの顔の横に社長の手が置かれる。
社長が、さとみの目を見つめていった。
「おせえよ」
心臓が痛い。
早鐘のように鼓動が早い。
緊張して死にそうだよ。