嘘つきシンデレラ



住み込み家政婦?




社長はわかっているのかな。




それがどんなにすごいことか。って




タワーマンションの最上階。




ワンフロアすべてが社長の家。




モデルルームのような家具が置かれた




30畳のリビングルーム。




全面が窓になっていて、そこからは





広々としたルーフガーデンと




パノラマ状の都内の景色が




一望できる。




一角にある社長の主寝室、書斎。




それに付随している 




ゲストルームが2つ




そのうちの一つを使っていいって!




私みたいな、平凡な子には




夢のような住まい。




だって、きっと一生こんなとこに住める



なんてことないもん。



しかも、その分の自分の家賃も浮いちゃう…。




しかも、契約書によれば、家政婦と言っても、




社長の部屋や、ゲストルームはプロの方がする。




社長の部屋は入室禁止。




だから、私が掃除するのは、



あのリビングと自分の部屋だけ。




しかも何と部屋にバス・トイレつき。




信じられない待遇!




確かにリビングだけでも、段違いに広いけれど。




いいのかしら。




お金持ちにはどうでもいいことなのかな。






正直、社長と一緒に住むって、



いろんな意味で怖い気持ちはあるんだけど。





でもきっともう、私になんて興味もないだろうし。



あれも、からかっただけかもしれないし。



心配することなんて、そんなない気がする。



だって、社長と噂になる人たちは綺麗で、華やかで。



私なんかとは世界のちがう人。



私と社長に



何かがあるわけない。



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