あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「懐かしいな。
昔はしょっちゅう大翔が愛美の頭をそうして撫でてたもんな。

大翔も夏にはアメリカの大学病院に行くみたいだし、救命から二人抜けるのは痛いだろうから早めに話して来年くらいにはうちに移れるように話してくれ、愛美。

愛美?聞いてるのか?」


父の言葉に私たち全員の動きがとまった。

沈黙を破ったのは颯馬だった。

「どういうこと?
はるにぃがアメリカって何にも聞いてないんだけど!
愛美は聞いてたのか!?」

顔面蒼白な私は颯馬の問いかけに頭を左右にふった。

手足がスッと冷えていくのがわかる。

大翔が私の前からいなくなる…。

そんなこと今まで考えたことも想像したこともなかった。

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