あまい・甘い・あま~い彼が見つからなくて
「…さっきまで一緒に行くって家で大泣きしたの」

「うん」

隣を歩きながら大翔は優しく私を見つめながら頷いた。

「いつも一緒にいたから離れるなんて考えたこともなくて、いなくなっちゃうなんて受け入れたくなかった。

颯馬がフランスに行ったって寂しかったけど一緒に行きたいとか離れたくないとか思わなかった。

颯馬は私のお兄ちゃんだけど、大翔は私のお兄ちゃんじゃないから。

私は一度もただの幼馴染みだとか兄みたいだとか思ったことないよ?

ちゃんとずっと好きだった。

大翔のこと好き…だったよ?」

私の視界が涙で滲む。

「うん、知ってる」

大翔の大きな手が私を抱き寄せた。

人混みを少し外れた大きな木の下で大翔は私を抱き寄せてまま頭を優しく撫でた。
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