愛は惜しみなく与う③
こんな守り方しかできない自分は、弱いんだなって実感してる

水瀬はあたしの耳に携帯を当てた


「杏と、話をさせてくれ」


そこからは泉の声がした。胸がいっぱいになる。乱れた服をギュッと胸の前で持つ



「何度も言いますが、あなたが今すぐ手を引いて帰るなら、彼女に手荒なことはしません。まぁすでに手は出し掛けてますが、止めます。

でも、もし帰らないのであれば…

このまま彼女の身も心も、ボロボロにする予定です」


そんなこと言ったら、泉は追ってくるやん。
あかんって。それじゃあ泉は優しいから…あたしの所へ来てしまう


そして何か泉の声が聞こえ、そして水瀬に携帯を渡された。


「ほら、別れくらいスピーカーにして話さなくていいよ。杏の話すことは聞いてるけど、男の話は聞かないようにしてやるよ」


ほら、言った通りに説得しなよ?
そう言って、あたしから一歩離れた


携帯を持つ手が震えそうになる


「泉?」


名前を呼ぶと、あたしの名前を呼んでくれるから、とても安心する


『杏?まだ大丈夫か?』
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