冷徹社長の初恋
「お疲れさま」

入り口に目を向けると、川原先生が教室に入ってきた。

「お疲れさまです。先生、今日の見学はどうでしたか?何か気付かれたことがあったら、教えてください」

「ばっちりだったよ。工場側への対応も問題なかったし、子ども達への働きかけも適切だったよ」

「よかった」

「でも、まだホッとしていられないよ。明日は早速、この見学をもとにまとめていかないと。何をどうやってまとめさせたいのか、教師の中に明確にないといけない。僕達のかける一声で、内容が良くも悪くもなるからね。明日の授業を、どんな流れで、どんな問いかけで行うか。一字一句吟味して言葉を選ばないと、せっかく今日掴んできたことも、存分に生かせない」

「なるほど」

「町田先生は、これまで2年生の経験しかないよね?」

「はい。そうです」

「じゃあ、明日は1・2組合同でやってみようか。一度僕がやってみせるよ」

「本当ですか?勉強になります」

「ああ。やっぱり、頭の中で想像してるだけでは難しいからね。実際に見ないと、なかやか掴めないと思う。
まあ、ここまで言っておいて、僕だってうまくいかないこともあるけどさ」

「いえ、そんな。楽しみにしています」

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