冷徹社長の初恋
ボーッとしていると、突然スマートフォンの着信音がなり響いた。

春日さんからだ……


「も、もしもし」

「絲……なんか疲れてるな」

「いえ、大丈夫ですよ」

「そうか。ならいいが。無理はしないようにな」

「ありがとうございます。剛さんはまだお仕事ですか?」

「ああ。疲れたから、絲の声が聞きたくなってな」

さっきまで沈んでいたのが嘘のように、剛さんのその一言で気持ちが浮上する。
その声を聞くだけで、胸が高なる。

「そんなふうに言ってもらえると、嬉しいです」

でも、次の瞬間、心が凍りついた。


『剛さあん。剛社長さあん』

電話の向こうで、剛さんの名前をあまえたように呼ぶ女性の声が聞こえた。
そういえば、ざわざわとした音が聞こえる。
剛さんは今、会社じゃない所にいるようだ。

「絲、週末に会えるのを楽しみにしている」

「は、はい」




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