冷徹社長の初恋
ここは、都立のとある小学校。
今日はこれから、5年生の2クラスを連れて
自動車工場へ社会科見学に行く予定になっている。

5月の気持ちの良い青空の下、プリントと筆記用具、お弁当と水筒の入ったリュックを背負った子ども達が、わくわくした顔で私の方を見ている。
1組34人と2組33人に加え、担任の2人と、責任者として副校長が引率をする。副校長は、勤続30年のベテラン女性教師だ。

「これから、このバスに乗って、自動車工場の見学に向かいます。めあては覚えていますか?」

そう問いかければ、何人もの子の手が素早く挙がる。
こういう反応を見ると、自分の指導が定着していることを実感する。




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