冷徹社長の初恋
私の名前は、町田絲、26歳。
東京都の教員採用試験に合格し、この小学校に赴任して、今年で3年目になる。
1年目は2年生の副担任に配属され、指導教員から様々なことを教わった。
2年目は、2年生の担任として、学んだことを実践した。

そして、3年目の今年は、5年2組の担任となった。
まだまだひよっこの私に、高学年は……と、少し不安になったものの、いつもよくしてくださる校長先生に背中を押されて、今に至る。
1組には、今年11年目になる、川原勇希先生(33歳)が配属された。
どの学年も、1組は主任クラスの教諭が付き、他クラスの教員の指導も兼ねている。

川原先生は、とても経験が豊富で、穏やかな人だ。保護者からの信頼も厚い。
そんな川原先生がついていてくれるのは、私にとって大きな安心材料だ。



「それでは、順番にバスに乗ります。1組は川原先生の指示を聞いてください」

時間になり、自分のクラスの児童をバスに誘導する。
興奮した子ども達が、多少おしゃべりをするのは許容範囲だ。
でも、運転手さんへの挨拶はしっかりとさせる。




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