冷徹社長の初恋
「これで、社会の勉強を終わります」

授業が終わるとすぐに帰りの会を始め、子ども達を帰す準備を進めた。
こういう日は、残っていた保護者が、いろいろと話を聞きに来ることが多い。だから、春日さんに「校長室へどうぞ」と促しておいた。が、なぜか春日さんは教室に残っていた。

案の定、私は複数の保護者に話しかけられていた。うちの子はちゃんと友達がいるのか。勉強はついていけているのか。自分が親だったとしたら、気になるだろうなあということばかり。だから、丁寧に答えていく。できたら、家庭でこういうフォローを入れて欲しいと、協力をして欲しいことも伝えていく。こういうやりとりが大事なんだと、他の先生に教えてもらったから、時間の限り話をする。

最後は、下校を促す放送に慌ただしい感じになってしまったけど、なんとか待っていた方と話せた。
春日さんはその間、教室の片隅で話をする私をじっと見ていた。


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