続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん
◇◇◇

結婚式が終わった。


私は両手に大荷物を持って、
七海ちゃんと式場の出口に向かっている。



「後藤さん、幸せそうだったね」



「次にウエディングドレスを着るのは琴梨かな?
 もう、礼音くんからプロポーズされたんだし」



「どうだろう……」



付き合いだしてから、
今まで拒絶されたことなんてなかった。



だからすごく不安になる。



礼音くんは私のことを、
どう思っているんだろうって。



「琴梨ごめん、私、もう帰らなきゃ」


 「今から仕事なんだよね?

 あ、今度のお話会、
 七海ちゃんにお任せになっちゃうけど、
 よろしくね」



「了解。
 琴梨は、礼音くんと仲直りして、
 旅行楽しんでくるんだよ」



「うん」


結婚式場の門を通り、帰ろうとした時、

「琴梨ちゃん」

低くて穏やかな声に呼び止められた。
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