続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん
俺はなんで、
あんな大好きで大好きでしかたがなかった琴梨を、
傷つけてしまったんだろう……
読み聞かせ会をこっそり見に行って、
あの図書館男に勝手に嫉妬して。
あんなかわいいワンピを着る琴梨を、
あの男に見せたくなくて……
結婚式のあと、
謝ろうと思って迎えに行ったのに、
あの男と仲良く話して、頭をポンポンされて……
あいつの車に乗り込んでいったから……
でも……
琴梨は何も悪くない。
結婚式の後も、
俺の好きなロールキャベツを
作って待っていてくれて……
俺が何時に仕事を終えるかわからない中、
凍える夜に店の前で待っていてくれて……
俺って本当に小さい男だよな……
琴梨のことが好きで好きでたまらない癖に、
琴梨が逃げ出さないかビクビクして。
俺という狭い鳥かごの中に、
琴梨を入れておきたくて。
自分に自信がなくて、
そのせいで琴梨を傷つけて。
琴梨にきちんと謝ろう。
俺はそう思いながら、必死にペダルをこいだ。