続・カメレオン王子とひとりぼっちの小鳥ちゃん

俺はなんで、
あんな大好きで大好きでしかたがなかった琴梨を、
傷つけてしまったんだろう……



読み聞かせ会をこっそり見に行って、
あの図書館男に勝手に嫉妬して。



あんなかわいいワンピを着る琴梨を、
あの男に見せたくなくて……



結婚式のあと、
謝ろうと思って迎えに行ったのに、
あの男と仲良く話して、頭をポンポンされて……


あいつの車に乗り込んでいったから……




でも……
琴梨は何も悪くない。



結婚式の後も、
俺の好きなロールキャベツを
作って待っていてくれて……



俺が何時に仕事を終えるかわからない中、
凍える夜に店の前で待っていてくれて……



俺って本当に小さい男だよな……



琴梨のことが好きで好きでたまらない癖に、
琴梨が逃げ出さないかビクビクして。


俺という狭い鳥かごの中に、
琴梨を入れておきたくて。



自分に自信がなくて、
そのせいで琴梨を傷つけて。



琴梨にきちんと謝ろう。
俺はそう思いながら、必死にペダルをこいだ。

< 22 / 44 >

この作品をシェア

pagetop