三日間の幸福
思いのほか30分くらいであっという間に床は綺麗になった。

ダメになった食器もあったけど、ほとんど物は大丈夫そうだ。

照明も管理会社に連絡したら、来週中に修理に来てくれるらしい。
まだ混乱してる中なのに、思いのほか対応は早かった。

「あ、水、復旧したかも。」

平良がスマホの画面を見ながら言う。

「うそー。」

私はそう言って台所に立つ。
二人並んで蛇口をひねる。

ジャッと勢いよく水が出た。

「よかったー!」

こんなことがすごく嬉しいなんて。

私のことなのに、平良もすごく嬉しそうだ。

大体午前中のうちに片付けが終わった。

「なんかメシ食うか。」

平良が立ち上がる。

「どこかお店やってるかな。」
「ぶらっと見てこよう。」

私たちはラフな格好で出かける準備をした。

外はやっぱりそれぞれが騒がしい。

唯一開いてるコンビニに並ぶ人々。
たくさん買い込んでる人。

非常事態なのは分かる。

でも不思議と、私はドン底じゃない。

昨日ホテルの下敷きになって死ななくて良かった。

あの時は死ぬかと思った。

青空を見てふと思う。

今回の地震は、意外にも人的被害はまだそれほど出ていないらしい。

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