三日間の幸福
午後6時に鍋を食べる。

食べ終わると、ホテルの温泉に行く準備をした。

平良がスーツケースをガサゴソと漁る。

「部屋着、俺これしか持ってこなかったわ。仕方ないか。」

その様子を見て、つい反射的に私は動いてしまった。

「普通のスウェットで良ければあるよ。」

言ってしまってからハッとする。

「え?女物?」

平良が私を見上げる。

「男物・・・」

言うんじゃなかった。
間違った。

言葉を失ってる様子の平良。

そりゃそうだよね。
女の一人暮らしの部屋に男物のスウェットがあるんだもん。

失敗だ。

「あー、なんだ、彼氏いるんだったら最初に言ってよ。」

平良が笑顔を向けた。

「俺、すげえ邪魔じゃん。」

平良がスーツケースに今出したばかりの荷物を押し込む。

「そういうんじゃない。」

私が言っても、平良は手を止めない。

ああ、もう言うしかない。
私は衝動的に口を開いた。

「彼氏じゃない。」

静かな薄暗い部屋に私の声が響いた。

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