金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「初めまして。娘の菜乃花です…。」

「ごめんね。菜乃に許可もなく…」

「……全然…気にしないで、どうぞごゆっくり。」

私はそう言うと…またパタンと部屋へ引き戻った。


  ママが幸せなら、それでいい。

  ママを大事にしてくれる人なら
            それでいい。

  ママが幸せなら…
         私も幸せなんだから。

「ごめんね〜。山野君、愛想のない娘なの。
あの通り…見た目はギャルだけど…大人しい子だからっ。」

「舞花ちゃんに似てるね。」

「そうかなぁーーーーっ。」

2人の笑う声が、柔らかに響く。

ママと山野さんって人の話を扉越しに聞きながら、少しだけ心の中で反抗する。

   私、たぶんパパ似。

  背格好はママに似てきたけど…

  目鼻は全然ママに似てないから。

そう心の中で呟くとなんだか冷静になって、すっかり夢から覚めた。


…と、スマホの震える音に私はビクッと振り返った。

“ 彩香 ” と光る画面に私は飛びついた。

彩香は東京での1番の友達だった。

まだここへ来て、2ヶ月あまりだというのに…ずっと会っていなかったかのように懐かしく、今1番会いたい人だったということに…声を聞いて実感した。
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