金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「暑い…熱帯夜の夜。こんなふうに静かな夜……。母さんが、店のエアポンプを全て停めたんだ。
だから…あの火事がなくても、金魚たちはきっと…数日後には全滅してただろうね。」

「 ……瑠璃。あの部屋のベッド…血が付いてた。」

私の指先が、微かに震える。

「何が…あったの…」

「あの日、僕は…あの部屋で母さんに殺されたんだ。」

私の目の前の全てが真っ暗になる。

目の前の全てが…音を立てて…倒壊する。


さっき……崩れたジェンガの塔のように…。
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