金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
「 あ……。あった。
瑠璃……瑠璃、やっぱり瑠璃はいたんだね。
いてくれたんだよね…。」

私は、夜市の夜に瑠璃が書いた絵馬に走り寄った。

ー 三島 瑠璃 ー

と名前が書かれた真新しい絵馬。

この絵馬のありかに迷わず来れた事がやっぱり不思議に思う。

瑠璃の絵馬と重なるように、あの夜に書いた私の絵馬を広斗がじっと見つめる。

「間違いないね…。」

「うん…瑠璃の絵馬だよ。瑠璃が…書いた願い事…今、初めて見た……。」



瑠璃が書いた字。

瑠璃が書いた願い事。

瑠璃が描いた想い。


私はその絵馬に触れて、そっと撫でた。

瑠璃は…夢の中なんかじゃなくて、私の側にいてくれた。


いつか…いつか、また会えますように。

瑠璃に会えますように…

神様、お願い。

私の100年の想いが届きますように。




ーどうか、瑠璃の魂をもう一度…
          蘇らせて下さい。ー

         村瀬 菜乃花



どうか…もう一度。

彼に愛情のある人生を、彼が夢みた人生を…

どうか…もう一度。



“ 世界を周りたい” そう言った瑠璃の屈託のない笑顔を思い出す。





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