金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
私は…とにかく騒がしく落ち着かないドキドキを胸に閉まって、商店街を見渡した。

かまぼこ型のアーケードの隙間から、日の光が溢れ、丸い形の街灯はまだ明かりは灯っていないが…きっとそんなに明るくはないと想像する。

その街灯には、正月でもないのにピンクと白の舞玉が飾られ、風の流れに揺れる。

所々に、様々な形の提灯……というか色鮮やかなランタンが飾られ、薬局屋、電気屋、蕎麦屋など…それぞれ店先の置き物のキャラクターがこっちを見ていた。

オレンジのカエル。

白熊の親子。

蕎麦屋の前には、信楽焼の狸。

衣料店…「 ブディック さわ 」と書かれたお店の前には、まるで魔女のようなコーディネートのマネキン。

魔女コーデ、怖すぎっ!!(苦笑)


そこから2、3件ほど先に行った金物屋の隣のお店……

私は、すぐにその美しい…神秘的な空間に…

足を止めた。

なんとも美しい青の世界。

そこに散らばる……赤、オレンジ、白、黄色。

青の輝きに散らばる、暖色のヒラヒラ達に…私はまたさっきのドキドキを思い出してしまった。

ドキドキする程、美しい…

青の世界。


ー 金魚屋 「あぶく」 ー

その店のレトロな看板の下には、

ー 金魚・鯉の専門店 ー とあった。



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