金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
ふわっと笑う、瑠璃の笑顔はどうしてこんなに安心するんだろう。

「大丈夫…。そうだよね。」

私は返事をしながら、はっとする。

正面を向いて私を横切る瑠璃の左肩から腕にかけて、大きなケロイドの傷があることに気付いた。

かなり古い火傷のような痕。



だから…。

瑠璃は、夏なのにいつも長袖着てたんだ。


私が思わず視線を逸らしてしまったことで感づいた瑠璃は、自ら…傷のことに触れた。

「 あっ…コレ。
小さい頃、歩き始めてすぐかな…ヤカンのお湯をかぶったらしいよ。」

「 そ…っか。ごめん…なんか、私…嫌なこと言わせちゃった…。」

「(笑)なんでもないよ。
母さんが、僕が男でよかったって…。」

私は泣いていた跡を拭って、瑠璃の腕に近づく。

そっとそこに触れると、ボコボコした部分とつるんとした部分とが切なくて…けれど温かい瑠璃の体温になぜかホッとした。

「もう…大丈夫なの?」

「(笑)当たり前じゃん。もう、16年も前のことだよ。」

「そうだね…(笑)」

「こんなの、痛くも痒くもないよ。」
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