金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
私の新しい学校は、山の麓にある私立高校。

田園地帯を越えて…この山にぶつかると、この学校の校舎以外に建物なんか無いんじゃないか…と思う程…田舎。


コンビニは?

Wi-Fi…どこ? …って。

私の最低基準の生活が…不安になる程、田舎。


体育会系の子が多いこの学校は寮に入っている生徒が多いらしく、夏休みのこの時期は実家に帰省している人が殆どで、部活の声は聞こえるものの…今は蝉の声の方が力強い。

前の学校で、休みがちだった私は補習授業に来てはみたものの…

すんなり溶け込める程の社交性は無く…

授業が終わって「起立〜〜っ。礼。」の気怠い声で立ち上がった瞬間……


倒れた。


軽い貧血なのは、いつものこと。

薬を飲んで少し横になれば平気だと言ったのに…白すぎる顔の私を見て、先生がママに連絡してしまった……らしい。

白い肌は元々で…茶色く透ける髪は色素が薄いせい。

……って。それは嘘。

髪の色は、夏限定で少し明るくした。



そんな私は、ママが嫌い。

って、いうか…ママが私を嫌いなんだと思う。

仲良し親子に憧れた時期もあったけど、この女同士の確執はいくらこちらから歩み寄っても……

無理なものは無理だ。

何度…好きになってもらいたくて、好かれたくて…振り向いて欲しくて……。

幼い頃から、彼女の喜ぶことは何でもしようと頑張った。







< 5 / 160 >

この作品をシェア

pagetop