金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
ママの靴を並べたり…ママの朝ごはんにパンを焼いたり……

ママによく手紙も書いた。ママの似顔絵は精一杯かわいく書いた。

美容室帰りのママを褒めた。新しい服のママを褒めた。

そして気づいた。

頑張れば頑張る程…泣かずにいる私に当り散らして、健気に頑張る姿にイラつくらしいという事に。

少し成長して反抗すると、それはそれで涙ながらに感情的になり、物に当たったり…喋らなくなったり…私より子供っぽい態度に、もうめんどくさくなった。

彼女の心の波は、常に男にあって…新しい彼氏ができるたびに私はその感情の波に飲み込まれた。

恋の話は…ママが中心で自分の彼氏の話は沢山話してくれるのに、私の彼の話は全く興味が無い。

聞く気なんて一つもない。

愛情の逆は、憎しみでも虐待でもない…無関心だ。

これって…ホントにそう思う。

スマホのやり取りに夢中な彼女は、私の話には
「へぇ〜っ。」の返事しか返してくれないことが多かった。

保健の先生の前で、やたらと私の心配をして良い母ぶる彼女に呆れる。

可愛くない娘かもしれないけれど…私も彼女にそろそろ疲れてきたんだ。


私は、保健の先生に声を掛けられてフラフラ立ち上がるとワザとママと目が合わないように、スマホに視線を落とした。

今日で補習も最終日、ますます2学期からの毎日が憂鬱になっただけだった。
< 6 / 160 >

この作品をシェア

pagetop