金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
揚げ物屋のアルミサッシを跨いで、アーケード街に出ると私はすぐに瑠璃に聞いてみた。

このタイミングを逃すと聞きづらい…

そんな気がして…。



「瑠璃、お母さんどこか悪いの…?」

「あ〜うん。今、入院してるんだ。」

「……そうなの。ごめん…私、気がつかなくて。
瑠璃も…大変なんだね。
私ったら、自分ばっかり慰めてもらって。」

「(笑)大丈夫。 たいした病気じゃないんだ。
持病みたいなもんだから…。
命に関わるようなものじゃないし…。」

「そっか。それなら、少し安心した…。」

瑠璃はニッと笑うと私に左手を差し出した。

「……えっ?」

私は、きょとんと瑠璃の手のひらを見つめた。

「親友って……手は繋がない…か。」

瑠璃は、シレッとした顔で自分の手のひらを見つめると “ あっ、そっかぁ〜 ” っと呟いて両手をズボンのポケットに仕舞った。

私はその仕草が可愛くて…彼の腕に飛びついた。

「親友は、手くらい繋ぐよぉ〜。」

「(笑)」

瑠璃はやっぱり長袖…

ロンT越しに感じる彼の腕に力を込める。



恋に傷ついた心は……次の恋で癒せるの…?

本当の愛…ってどんなの?



「 カレー、中辛でいい? 」

私は瑠璃の顔を覗き込む。

「 甘口がいい。」

瑠璃は当然のように答える。

「(笑)………嘘でしょぉ〜?」

「えっ。ホントだよ。」

「(笑)可愛いっーーーー瑠璃っ!」

「 変かな。」

「変じゃないっ。 ………くっくくく(笑)」

「あっ!バカにしてねぇーーーーっ!」

「してない。してない。 甘口ね(笑)」

「やっぱ、中辛でいいよっ!!」









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