金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
私はテレビ台の2段目に…雑誌と日用品の細かい物の入ったカゴの間からピンクのジェンガを見つけた。

ビニールのパッケージに包まれたまま、箱に入ったジェンガは未開封のようだ。

「ピンクの…ジェンガ。瑠璃ぃ〜コレしようっ。」

「本気で言ってる?」

瑠璃はカレーの残りの入っている鍋をそれごと冷蔵庫にしまいながら、困った顔で返事をする。

「商店街のビンゴ大会で貰ったんだけど…ソレ普通のジェンガじゃないよ。」

「えっ?普通とか…普通じゃないとか、そういうのあんの?」

「LOVEジェンガ。無茶ぶりな指示が書いてある。(笑)」

「たとえば……?」

「だぁーーーーっ。知らねえよ。見ての通り、未開封。」

「開けていいっ?」

「ど〜ぞっ。」

私は、ピンクと白色のブロックを組み立てる。

ラストのピンクをセットして瑠璃の顔を挑戦的な目で見ると、彼は苦笑して“ 参るなぁ〜”という表情を返してきた。

「マジですんの?(苦笑)
…無邪気だよね、菜乃って。」



なんか。

今、…ドキっとした…

自然と“ 菜乃” って呼んだ瑠璃に…



「じゃ〜んけん。(笑)」

「色々…思い通りにならない事があるけど…菜乃にはさっ、泣いてる顔は似合わないよ。
おっ…しゃっー。僕の勝ちっ!」
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