金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
痛々しい残酷な傷。

想像できない程の残酷な情景が、この傷を作ったであろうはずなのに……

瑠璃の天使の羽根は、とても美しくて神々しいモノに見えた。

もう…目を逸らしたりしない。



「…………瑠璃は、羽根を持ってる。
天使の…羽根みたい。」

「……………。全然、飛べない羽根だな(苦笑)
ここから、この店から…飛んで出たいのに。」

「瑠璃。………瑠璃の夢って、何?」

「なんだよ。突然……。」

「(笑)なんだろ。なんか…ふっと瑠璃は自分の未来を占ったり出来るのかなぁ〜なんて思っちゃったから。」

「…………。
それは、出来ないな。 もし出来てたら… 」

「…………もし、出来てたら?」

「こんなことには…なってないよ。」



一瞬、胸の奥で強い風が吹き抜けた気がする。

瑠璃の横顔に…ほんの一瞬だけ、

ノイズが入ったように…切なさが走った。


「んーーーーっ! 僕の夢は、この店から出て世界を見て歩きたい。
世界中を旅したいっ! この羽根じゃ飛べないから飛行機でね。」

「(笑)そうだね。でもさ…ここに瑠璃がいないと私は寂しいっ。」

「(笑)ははっ。」

瑠璃は軽く笑うと、サッとブロックを一つ引き抜いた。
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