金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.


その夜、瑠璃と私は居間に布団を並べて眠った。

テーブルを真ん中にして…右と左。

瑠璃の匂いのする薄手の掛け布団に顔を埋めると、全て…何もかも…受け止められているような気持ちになった。

過去の切なさにふっと溢れそうな涙を静かに拭うと、隣の瑠璃が寝返りを打つ。

私は、そんな瑠璃の方に背中を向けて…眠りに着いた。



飛沫ひとつ立たない、深い深い深海の底のような……

静かな夏の、この夜。

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