金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
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広斗と別れて、順路通りに鳥居を正面からくぐる。

「瑠璃ーーーー?瑠璃ーーーーっ!」

瑠璃を探す。

膨大な絵馬の奉納スペースを行ったり来たり……、そのうちに順路がどちらの方向なのか分からなくなる。

  “ オバケに会うぞぉ〜 ”

もぉーーーー!! 広斗のバカぁ〜(泣)

あんな事、言うから…

怖くなってきたぁーーーー(泣)


右、左…縦、横。

段々、古い絵馬たちに囲まれてきたような気がする。

さわ…………っと…夜風。

絵馬と絵馬が触れ合って、カタカタと音を立てる。

恐る恐る…振り返る私……



吸い込まれるような漆黒の杜に揺れる木々の黒い影。


   瑠璃っ!どこ。怖いよっ!

「わぁっ!!…っぅぷっ。」

思わず走り出そうとして…人の背中にぶつかって悲鳴のような声を上げる。

「キャーーーーーっ!!出たぁぁぁっ!!」

本日…2度目の悲鳴。

「………つか。菜乃っ!どこ行ってたんだよ。僕、もう書いちゃったよ。 絵馬!」

「あ……ぁ……瑠璃。」

自分の絵馬を吊り下げながら瑠璃はニコっと振り返った。






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