金魚占い ○°・。君だけ専用・。○.
   瑠璃ーーーーっ!

   怖かったよぉぉおーーーーーっ!

心の中で安心の叫びが響く。

「(笑)何?何。ごめん、ごめん。
置いてったりしてっ。」

瑠璃は、ごろぴかどんを私の鼻先に当てておどけてみせる。

ぬいぐるみを抱きしめて立ち尽くす私を見て、瑠璃は子供をあやすかのように…笑って私の頭にポンポン…と触れた。

「怖かったよぉぉ〜。
広斗がさぁ…オバケに会うなんて言うからぁ〜。」

「ひろ…と?」

「あ……。うん、知り合いって言うか、友達って言うか…
とにかくっ!怖いじゃんっ、そんなの聞いちゃったら。」

「(笑笑)…ごめん。」

そう言う私を見て、瑠璃はフッと笑うと…
その腕で、フワッと私を抱き寄せた。


   あっ……………。


瑠璃の匂いが近くて…細くて骨っぽい肩に頬が触れる。

Tシャツを通して…瑠璃の身体を感じる。

「ごめん。1人にして…。」

瑠璃の肩越しに、雪洞の灯…その向こうの木々の間からランタンの光。

「うううん。もう、平気……。」

こんなに抱き締められると、それ以上…声が出て来ない。


瑠璃の腕に、ギュっと力がこもる。

その圧を感じて…ドキドキが止まらない。
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